今日、お日柄もよく

心浮き立つ遊びがしたい

サパサパサパータイム(君はいい人、チャーリーブラウン)

あの犬が出ると噂のミュージカルですよ。大人が子供を演じる芝居なんてたくさん見てきたはずなのに、キャラクターものとなるとなんか一気に不安。中川晃教の犬。全然想像つかないぞ。いや~はまれるかな。もう本当にぶっちゃけ絵面に乗れるかしら…というのが一番の懸念だった。フォロワーさんの「犬が楽しそうにしていていいですよ!」というお言葉を胸に、どしゃ降りの中いざシアタークリエへ。あの日傘を貸してくれたタクシー運転手さんありがとう…。


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結論から申し上げると…追いハピしました!!悔いなし!!

ストーリー自体は、思ったより何も起きなかった。というか一貫した筋は全くない。4コマ漫画を並べただけみたいな、ある意味キャラクターありのソングサイクルミュージカルみたいな作りなのに全く飽きない。親指をしゃぶりながらライナスが歩いてきて、「味がしなくなってきた~!!」としょんぼりしながら歩み去ってハイ次の場面!みたいな、ちょっとしたことが起きて特に解決されない…という繰り返し。人生ってそういうもんだからさ、とさらっと言われているような気持ちになった。ぶっちゃけ良い出来事はさほどないのに、なぜか多幸感があって超好きでした!子供だからかけろっと忘れて次に行くけど、子供だから小さなことに心を痛めていろいろ考えたりする。大人が観てもかなり楽しいけど、ファミリーミュージカルみたいに子供に見せてもいいのかも?

 

それにしてもチャーリー・ブラウンは友達たちからの扱いがなかなかひどくて、原作通りだけどやっぱりかわいそう。でも皆ともそれなりにうまくやって?いるし、別にそこまで悲観しきっているわけでもない。そもそもほぼ全員、他の皆に「なんやコイツ…」って思われる孤独な、もしくは単に1人の場面があったので、取り立てて1人だけ浮いてるなとは思わなかったのかも。(ルーシーはアンケート、サリーは哲学ソング、ライナスは毛布ソング、シュローダーは合唱練習、スヌーピーはそもそもわりと1人)皆クセはあるけど、ほどほどによろしくやってるよ!というややドライな関係性がいいというか。

ともあれ、結構散々な目にあっているチャーリー・ブラウンが「あなたはいい人ね、チャーリー・ブラウン」とルーシーに(そう、ルーシーに!)言われて、嬉しそうに微笑むラストシーンはこの作品を象徴しているなと。明日になったらまた何かしら問題が起きて、ランチタイムはまだ残り何千回もあって、野球チームはやっぱり勝てなくて、それでもきっと少しはいいことがあるよ。だって、幸せは君が愛せばどこにでもあるのだから…というメッセージを感じました。

 

当初不安視していた大人のキャストきついんじゃね説はあっさり払拭され、新たな推し候補も見つけてしまいました。岡宮ライナスかわいいよー!!僕の毛布と僕で「ランラララ…」と歌い出した時の声の低さにたまげたし、歌がうまい。皆うまいけど。舞台写真付きのハピネスチケットは、集合写真とちょっと迷ったけどライナスにしましたー!!王家…観るか…?(推しが出てるのに全然観る意欲がない)

とにかくどのキャストも、衣装といい髪型といい表情といい、どんどんキャラクターに見えてくる。

 

それにしても、まさか終盤ルーシーとライナスに泣かされるとは思わないじゃないですか!!!

強制アンケート(笑)でサリーにぶったぎられた後、「私が今までやってきたことは皆を不愉快にさせてたの?!私なんて生きている価値がない!あるなら教えて!」と泣くルーシーに対し、「あるよ」「1つには、お姉ちゃんを愛している弟がいるからかな」だなんて。時にあんなに理不尽なのに、姉を心から愛しているやんけ…(号泣)。ルーシーは確かに横暴だけど的を射ていることも多いし、ライナスは理屈をこね回して姉をイライラさせたりもするけど優しいし、なんだかんだ仲良し姉弟なんだなぁ。ルーシーの圧の強さと、ライナスのちゃんと考えているのに子供っぽさが抜けない凸凹姉弟感よかったです!ハピネスでの「幸せはきょうだいがいて」「パンを分けっこ」「仲良く」の歌い分けもズルい!!推す!

 

アッキーさんたっくん以外はお初なキャスト陣だったんですが皆良かったなー!

チャーリー・ブラウン(花村想太)

いや、歌…上手すぎません?オープニングの「空高くあの凧飛ばしたい」、手の動きといいキャラに似合わずかっこよすぎる。凧の歌もめちゃくちゃ難易度が高いと思うのに、さらっと歌いこなしている!この人知らなかった!恥!と慌ててRENT2020のPVを観て、なぜか甲斐ロジャーにときめきました。なんでや。

ルーシーがライナスに嘘を教えまくるシーンで、あんぐり開いたままのお口が可愛かった。何をやってもうまく行かないキャラクターを、大変うまく演じられていらっしゃいました。サパータイムではアッキー先輩のアドリブに毎度しごかれていて大変そうだった。でも毎度「どうやったら止まるんだぁ~」とか気の利いた返しをしていて、見ているほうは面白かったです。パンフレットの対談でもボケをスルーされていて、がんばれ!って応援したくなった。またカテコでのダンスがあまりにキレキレでかっこよくて、次はダンサブルな演目にもぜひ出てほしいな。

イープラス貸切では、図らずもご挨拶を聞くことができました。「劇場の灯を消さないようにしたい」と仰っていて、観客もちゃんとするからね…とマスクの下で思いました。YGCBはギリギリ完走できて、本当によかったね…!!!

・ルーシー(宮澤佐江)

顔芸振りきってた!チャーミングだった!片足をトトトトトッと足踏みしてイライラするシーンとか漫画そのもの。「私は皆を、どなりつける!(バァーン)」が好きです。

困ったちゃんなのは間違いないけど憎めないよなぁ!

サリーと仲いいのかわいいね。スヌーピーの歌でタンゴ?を踊っていたのを観て、なぜか宝塚を思い出した。

・ライナス(岡宮来夢)

先ほども書いたけど推せる!明瞭なセリフ回しと、ぺカーッとした絵顔が好きです。メイクでチークをすごく強調してたのは、子どもっぽさアピールなのかな。ライナスは賢いのに、普通に子供っぽかったりルーシーに騙されるところがかわいいんだよね。ただ雪や虫や草の件は、本当に騙されているのか?!と若干疑問だった。あれくらいのこと本に書いてあるやろ…。読書感想文で、ソロパートが終わっても背後でずっとしゃべってる場面が好きでした。なんて言ってたのかな~。

追加した前楽カテコでは、大変萌える一幕がありました。スヌーピー大先輩の愉快な後輩しごきにより、花村くんが即興「夜の当日券が少し残ってて、一度観てくれただけでも嬉しいけど夜も観てくれたら追いハピ」の歌を歌わされていたんですよ。即興とは思えぬ完成度でした。それを笑って見ていた岡宮くんが「夜は君だよ」っていきなり言われてええっ!ってなってて、私は…私は…どうしよう?!(どうすんだよ)ってなったのでした。今思えば勢いマチソワもありだったかなぁぁ。即興聞きたかったなぁぁ。

・サリー(林愛夏)

これまた振りきってた!地声・がに股具合が本当に幼女に見える!ウサギとりで虫取網を手に突撃する構えかたと、マイフィロソフィーのキメポーズが好きです。シュローダーとわりと仲良しに見えるけど、ルーシーとしては気にならないのかしら。

・シュローダー(植原卓也)

クリエでたっくんなら私はワーナーが観たいんですぅぅぅぅ!!!というのは置いといて。身長高いからか、一番大人が子供のお芝居してますよ感があった。イントネーションの問題かなぁ。青年役の方が素直にハマりそう。ロビンフッドの吹っ切れてるところは好き。あと、ルーシーに対しての嫌そうな顔も。

どうしても、『シュローダー』や『ベートーベンデー』でピアノのイントロが流れるたびに、脳内の凪さまが「不幸な人間たちが重荷を背負ってあえぎあえぎ…」と唱えたり、望海さんが踊りだしてしまうのでちょっと困った笑

スヌーピー(中川晃教)

御大。やっぱり1人だけいい意味で技量が飛び抜けていて余裕があって、何をやっていても安心感がありました。サパータイムの全力お遊び感がたまらん。ステッキと帽子の仕掛けは初見見事にびっくりした。巻き舌全開!髪型が初演から変わってた…のかな?ちゃんと犬に見えました。

ウサギ狩りでサリーに言う「はいはい仕方ないね」みたいなセリフがすごい好きだったんだけど思い出せない。やる気出な~い…から狩りへの、やるならやるぜ!という切り替え感がよかった。

あと、オスマー先生はどこで出てきたのかわかんなかったよ~!全部サリーの声真似だと思ってた…。それと、カテコで桑原まこさんが出てきたときすぐわかって、自分の成長を感じました笑

 

 

youtu.be

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入口にサインが飾ってあったの、終わってから気が付きました。チャーリー・ブラウンスヌーピーは撮れなかった…。
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予想以上に楽しくてお気に入りの作品になったから、もう少し短いスパンで再演していってほしいなぁ!音源化・映像化はないと明言されているので!若手発掘にはかなりいい演目だと思うので~!