マチソワの何がいいかって、これから舞台が始まる劇場から帰らなくっていいってことだよなぁ…。また幕が開いたら絶対するんだ…。
アーニャとディミトリの印象がマチネとソワレで全然違ったので、続けて違うキャストで観るのはやっぱり意味があると思う。どちらもとてもよかったです。
・内海ディミトリ
今回のイチオシキャスト!正直、制作発表の段階では期待値が低かったんだけど、蓋を開けてみたら一番似合っていた。かっこいいけどまだ幼さが残るというか、少年と青年の間くらいの雰囲気。めちゃくちゃ役にはまってました。パンフレットのニヤリ顔も相当いい。数ヶ月前の自分を殴りたい。
内海ディマというかディミよしは、他の2人と比べ序盤アーニャへの態度が冷たすぎてびっくり。わざと意地悪しているとかではなく、めんどくさがってるというか、いっそ嫌ってないか?くらい心の距離感がありました。だからこそ、徐々に仲良くなって惹かれて行く様がよく伝わるんだなぁ…。
そして筋肉が一番すごい!!白タンクトップから覗く二の腕があまりにムキムキで、思わず二度見した(前回記事のラストの動画に出てきます)。お顔がかわいいだけにギャップがすごい。人生ギャップでできてる。しかし、顔がかわいいけど声がハスキーってそれ私めっちゃ好きなやつじゃん…。推せてしまう…。歌も全然違和感なく聞けた。
今回は席が前方だったので、オペラ座での細かい表情の演技とかガン見してました。4重層の、眉間にシワよりそうな悩んだ表情が印象的。どんな気持ちで歌ってるのかなぁ。
プレイボーイとか凄腕詐欺師感は正直全然ないけど、たくましく生きてきたのはすごく伝わってきたので、アーニャと一緒にサバイブしていってほしい…。ところで台本だと2人はロシアに戻るってほんとですか。やめてくれ~。
ご本人のインタビューを読むと、グランドミュージカルにこだわっている印象が強い。やっぱり憧れがあるものなのかな。だとすれば、デビュー作がディミトリはすごくいいと思う。今回で私みたいな新規ファン増えただろうし。スカステで放送された『アナスタシアの世界』でも結構自分から喋っていて、意見を積極的に言いたいタイプに見える。
ミュージカル『アナスタシア』
— 内海啓貴 (@utsumi_akiyoshi) 2020年3月20日
無事に初日を迎える事ができました。
そして今日が僕のグランドミュージカルデビューになった!
素敵な作品と素敵な役に巡り逢えた事に感謝です。
スタンディングオベーションもありがとうございました🥺
また!明日☺️ pic.twitter.com/AuMM73DzLt
閉幕後に開催された「ミュージカル『いつか』の観劇会」ではアナスタシアの話題も多く、「ディミトリは若さゆえに光る役だと思ってやっている」という旨の発言をしていて、好感度がめちゃめちゃ上がってしまった。自分の武器を分かっていらっしゃる…。ちなみに『いつか』のタマキ役もとてもよかったです。
これからもミュージカルにたくさん出てほしい。手始めに『1789』再再演のロナンとかどうすか…。あとロミジュリのベンヴォーリオとか『ドッグファイト』のエディも。
ミュージカル『アナスタシア』
— 内海啓貴 (@utsumi_akiyoshi) 2020年3月23日
4日目、ありがとうございました😊
東京公演、ラストのワカーニャでした。
ありがとうね☺️
また大阪で!!!#アナスタシア葵わかな pic.twitter.com/GcJIm6iJsa
・葵アーニャ
かわいい!!似合う!!はるーにゃと比べると、圧倒的な陽。制作発表だといまいち違いがわからなかったんだけど、本番になるとこんなにはっきりとキャラが出るもんなのね。ダブルキャストの妙を感じた。はるーにゃは強いけどいつもどこか気を張っていて、一方わかーにゃは大丈夫!なんとかなるなる!なイメージ。 全然違う強さがある。
はるーにゃ、インタビューでも自分は陰だって言ってた笑
ロミジュリで観た時よりも歌がうまくなっている気がした。でも、"Learn to Do It"の最後のところは、すごいソワソワしながら聞いてしまった笑 あそこ台詞長いし大変だろうな~。やればでき~る~さ~。
ディミトリの足を思いっきり踏んでえへへってごまかす時、ウラドが注意しながらも「かわい~ねぇ」って言っちゃってたのはこの回だったかな?かわいかったからね、しょうがないね。アーニャは設定では27歳くらいらしいけど、さすがにもうちょい若く見えた。
アドリブぽくてよかったのが、酔っぱらいたちとの喧嘩の後のシーン。アーニャが棒きれをサーベルみたいに突き出して「かかってきなさい!痛くしないであげるから!」とディミトリをからかうところ。普通ならディミトリがサッと棒を取って火の中に入れちゃうんだけど、今回はアーニャがずっと棒を構えたままぴょんぴょんしてるから、「なんだよw」って素で笑っちゃうディミよしがかわいかった。わかーにゃ、おちゃめ。ここで一気に二人の距離が縮まった感あった。"My Petersburg"でディミトリのことをちょっと認めて、ダイヤモンドを渡してもいいって思ったんだなぁ。なのに、実は騙されてたことに気付いて…。
2回目観たら、やっぱりアーニャは自分が記憶を取り戻す前提で(皇太后を騙す意思はない)皇女としての知識を頭に入れたのに、単なる詐欺の片棒だったから怒ったんだと思えた。ただ、この頃ディミトリは彼女を本物の皇女と確信しかなり後悔してて、皇太后に本気で食って掛かってるので、すれ違ってるな~。ちなみにケンカ別れする直前手に持ってた変な人形、ディミよしはどんな顔して買ったんだ。喜ぶと思ったのかな…。
それを踏まえて、皇太后との最後の別れのシーンが改めて好きだった。「あなたは私に人生で一番いい日をくれた」「私たちは離れててもずうっと一緒よ」と言われ、自分の選びたい道に気づいてはっとするアーニャ。皇太后の手が優しくて、これが最後になるってはっきり予感があったんだろうな。この辺、アニメをもう一回見て違いを比べたい。
行かなくちゃ!って思うとなぜか背後にいるグレブ(本当にどこから入ってきたんだろう)。とても浅い考察なんだけど、ここで着てるのが赤いドレスなのは、ロシアの象徴っていう意味なんだろうか? 奥で家族がボリシェビキに追い詰められているところの対比というか。アーニャはものすごく要約するとマリー・アントワネットみたいな立ち位置のキャラクターだと思うけど、ロマノフ家の話はさらーっと描かれてるよね。ただあんまり詳しく書くと話がぶれちゃうから、これくらいのバランスでいいと思う。歴史通りだとこの後困難な出来事が多いけど、どうかエンディング後もディミトリとたくましく幸せに…。
・石川ウラド
善人じゃん!!!!というのが率直な感想。なんかかわいいおとぼけおじいちゃんっぽいぞ。あんまり詐欺師っぽくない…とか言ってると騙されるんだろうか。ディミトリとの関係も、対等な相棒というよりちょっと師匠入ってる感じがあった。Twitterで見た「禅さんがいると若手が育つ」って話、こういう感じなのかなぁ。
全体的にアドリブが少ない今作において、唯一比較的アドリブが多かった。パリに到着して「昔はウエストがこんなに細かったんだよ~」とか。ダンスの練習でアーニャの足を踏んじゃったディミトリに「ディミトリちゃ~ん?」とか(これは大澄さんもやってたかな?)。勝手に、ディミトリとアーニャの役者に「こうやるんだぞ~」って見せてると思って観てた。完全に禅さんを先生かなにかだと思っている。
タイタニックとTdVで観ていて、ダンスの印象が全然なかったけど、Twitterではダンスを心配してる声が多かったので苦手なのかな…?あんまりわからなかった。むしろ"The Countess and the Common Man"で最後ちょっとショーストップかかってたから、定評あるのかと思った。リリーを抱える決めポーズのままずっと固まってたから大変そうだった笑
アニメの吹き替えでディミトリ役だった方が、時を超えてウラドを演じるってロマンあるな。今度吹き替えで観なおそうかな。
観劇の時はわりと物語に集中するタイプなので、演じている人のことは忘れてなるべくフラットに観ているつもりではある。でも、例えば海宝ディマに感じた「いい人そう」って、本人を多少なりとも知っているからそう思うんじゃないのかな~という懸念はあって…。特に演者の年齢(役との解離とか、カップルの年齢差とか)はいつも気になってしまう。もちろん幅広い年齢を演じ分けてこその役者で、そんなのミュージカルあるあるだろうとは思うのですが…。
だからこそ、わかーにゃ+ディミよしはほぼお初の役者さんで、かつ若さとピュアさ(良くも悪くも初々しくて手探りしてる感じ)が生きていてすごくよかった。お互い等身大の対等さが感じられて、キラキラしてた。キャラに合った年齢とテンションだな~と素直に思える。
どちらも比較的ロイヤルみが薄いからこそ、ただの町娘(?)だったアーニャが皇女になり、孤児だったディミトリがアーニャの”王子様”になる変身感に説得力があるというか。観た人がリピーターになる組み合わせなのかな。少なくとも私はまた観たいです。